僕とキリンジ

雑記

代表曲「エイリアンズ」で知られる兄弟バンド「キリンジ」との付き合いは長く、もうすぐ13年が経つことになる。
現在は兄のバンド「KIRINJI」となり、すこし敬遠していた敬遠していた時期もあるが、今は「KIRINJI」も含めて大好きだ。

出会いは中学生の頃、僕の大好きなゲーム「塊魂」を通してキリンジを知った。
塊魂はPS2で発売されたゲームで、「塊を転がしてものを巻き込み大きくなる」だけのゲームである。
だけのゲームであるが、ゲーム性や爽快感だけでなく、少しシュールなデザインコンセプトや質の高いゲーム楽曲などすべてが素晴らしく、その属点である「みんなだいすき塊魂」など、シリーズ作品はかなり触れている。
「このゲームは音楽がいいんだよね」と言うゲーマーの感想をネットでよく目にする。が、僕はあまりピンときてない。「ゲームや、シーンがいいからそこで使われているBGMが良いと感じるんだろうが!」と思う。
だけどこの塊魂というゲームの楽曲は素敵だ。単体であっても素晴らしい。
ゲーム中に流れる楽曲は「ステキソング」と命名されており、松崎しげるをはじめとする多様なアーティストが「塊」をテーマにして楽曲を作成しており、基本的に歌詞、声が存在する、一つの楽曲として成り立つものとなっている。

その中の一つにキリンジの曲があった。楽曲名は「つよがり魂」という。

酒の魔力にやられたんだ
素敵な呪縛さにげられない

から始まる、おふざけよりのゲームデザインや、ポップさと相反するようなムーディな歌詞である。
歌詞とは裏腹に、ちゃんとゲームと調和するような音楽的ポップさも含まれており、ゲームをプレイしていて悪目立ちはしない、だけど存在感があるとても素敵な楽曲だ。

塊魂のサントラを調べる際に初めて知った「キリンジ」というグループ。
続けて「キリンジ」とgoogle検索したその日から、キリンジのファンになった。

キリンジのお洒落で大人な歌詞、多様な曲調は中学生の僕には眩しすぎて、当時同年代で流行った楽曲が凡庸に思えるほどだった。
もしかしたら僕はキリンジがきっかけで「流行りなんて知らねえよ」というサブカルもどきルートに入っていってしまったのかもしれない。
多感な時期に出会った「キリンジ」という存在は、人格形成の部分にまで影響をもたらした。

特にキリンジの「恋愛」がテーマの楽曲はニヒルな目線のものが多く、大人の婉曲で妖艶な表現が多い気がする。
そんな恋愛、そんなセックスに密かに憧れる自分がいる。
いつかはそうなれるのだろうか。

13年も付き合ってると、その時ハマっている楽曲は移りゆくし、そして一周回ってきたりもする。なんなら一時期キリンジから離れてみたりもしている。
自身の成長に合わせて刺さる嗜む理解する楽曲が変化してくる。
いまだに理解していない曲、いまだに自分の中にない語彙がたくさんある。
噛んでも噛んでも噛み切れないスルメ。
読んでも読んでも理解できない難解な図書。
そんな印象だ。
だからきっと今後飽きることはないだろうし、歳を重ねるごとに新しく発見があり、そのたびに新鮮な気持ちで聞くことのできる最高のパートナーだ。

キリンジのステキな語彙がいつか自分の中に流れ込んでくるといいね。

タイトルとURLをコピーしました