【実践してみた】演劇公演のフライヤーの作り方【初心者向け】

デザイン

演劇のフライヤーってどうやって作られてるのでしょう?

 

学生劇団の方や、突然制作を頼まれた方、これからフライヤーを作っていきたい方にとって、実際どのような過程を経てフライヤーが制作されているのかは気になりますよね。

骨王子
骨王子

フライヤー制作なんてやったことないよ…


そんな方でも安心して制作が進められるように、実際にフライヤーを制作したときの制作過程を追いながら、具体的にフライヤー作成の際の手順や要点等について説明していきます。

制作したフライヤーはこちら。

画像1

カクイ氏の朗読配信「カクゼツしたホンイ」のフライヤーを依頼を受けて制作いたしました。

まえおき|初めてのフライヤー制作

今回、僕は演劇関係のフライヤー(チラシ、ビラ)を初めて制作いたしました。

「フライヤー制作なんてやったことないよ…」

私もそういう状態でした。

知人から突然フライヤー制作を依頼されました。戸惑いはありましたが、頼られることは嬉しいことですので、チャレンジの気持ちも込めて承諾しました。

その後は、幸いデザイン制作の経験はありましたので、そこで培った知識をフル動員しながら制作を進めました。

 

一つ一つの工程をしっかり理解しながら踏みしめながら制作しましたので、どういったところでつまずくのかなぜこれは重要なのか、について初心者目線に立ってお話しできると思います。

初めてフライヤー作るどなたかの参考になれば幸いです。

演劇フライヤーの制作手順

演劇のフライヤーを制作していく具体的な手順について、お話ししていきます。

手順を追って制作を進めることで、情報漏れなどのミスを減らしたり、全体の工程の把握がしやすくなることで連携が取れるなどのメリットがあります。

その結果、より「伝わる」フライヤー制作をすることができます。

フライヤーに掲載する情報を整理する。

最初に、フライヤーに掲載する情報を整理していきます。

情報を書き出し整理すると、情報のグループ分けや優先度の設定を行うことができます。

情報のグループ分けや優先度は、デザインを行う際にパーツの配置や大きさを考えたり、装飾を変更する際のガイドラインとなります。

その結果、何度も修正を重ねることなくにスムーズに制作を行っていくことができます。

フライヤーに掲載する情報を「整理」する

今回フライヤーを制作するにあたって、実際に先方からいただいた情報がこちら。

【フライヤー情報】
公演名:カクイの朗読Vol.2
本番日時:10月30日(金) : ~ : 、 : ~ :
     10月31日(土) : ~ :
会場:Pococha(もしくは「皆のスマホの前」等)
作品名:「カクゼツしたホンイ」(仮)
出演者:カクイ
脚本・演出:アメージングだいや
制作:榎本晃也
フライヤーデザイン:大森翔吾
撮影:西宮理紗
料金:Pococha/\0
   YouTube/\1000
   YouTube+メイキング動画URL/\1500
   YouTube+サイン入りチェキ〇枚/\1500
   YouTube+脚本/\1500
   YouTube+フルセット/\2000
   (*\1500のプランは限定数10、\2000のプランは限定数5)
URL:(これから制作予定、でき次第共有いたします。)
【フライヤーデザインイメージ】
・切なさが込められたあたたかみ
・女の子が主人公と分かるような提示の仕方
・女の子のイラストは全身像が見えると嬉しい
・基本的には暖色系のイメージ

これらをさらに整理してグループ分けをします。

「脚本・演出」「制作」「フライヤーデザイン」「撮影」は、「スタッフ」としてグループを作れますよね。

情報は可能な限りまとめることで、必要な情報が伝わりやすく、また他の情報もどこに何があるかわかりやすくなります。

フライヤーに掲載する情報を「類推」する

いただいた情報には載っていないけれど制作に必要な情報もあります。

「これってどうなのかな」と思ったら、基本的に先方とやりとりして解消したほうが良いです。

今回はフライヤーの使用用途です。

一般的に、フライヤーは印刷を行い、折込などの用途で使われることが多いです。

ですが今回は朗読配信公演です。

先方に伺ったところ、「オンラインの使用を主として、一部印刷した状態で使用する」とのことでしたので、一般的なフライヤーと同サイズのA4で制作することにしました。A4サイズであれば、twitter等SNSでの使用も問題がなさそうです。

(インスタでの使用をメインにするのであれば、思い切って真四角で制作してみるなど、対象に合わせたサイズを選定するのも面白いと思います。)

また、主な使用用途がオンラインであるため、補足情報はあわせて拡散されることが予想されます。

フライヤーに掲載する情報の「優先度」を設定

次に、情報の優先度を設定していきます。

今回、一番重要なのは「タイトル」と「雰囲気」ということになりました。
「何かをやる」ということ、そしてそれが「どんな雰囲気のものか」さえ伝われば、あわせて拡散されている補足情報から詳細を伝えることができます。

次に重要なのが出演者です。
一般的な演劇公演、朗読配信と異なり、今回の企画はカクイ氏単独の朗読配信です。可能な限りその点をお伝えしようと思いました。

また、必要な情報の中で重要でないものはスタッフに関する記載です。もちろん企画を遂行する上でスタッフは欠かせない存在ですが、「お客様に取って必要な情報か」の点では重要ではありません。

整理した情報をもとにレイアウトを組むことで「何を目立たせるか」「どのように視線を誘導するか」といった、より情報が伝わりやすくなるための工夫ができるようになります。

作品の雰囲気を掴む

情報を整理したことで骨組みが想像できるようになりました。

それでは、作品の雰囲気を掴んでいきます。

作品の雰囲気が掴めると、骨組みに肉をつけていく際に一貫したガイドラインを持って制作を行うことできます。

実際に朗読配信で使用する台本を読ませていただいたところ、

・女の子
・切ない
・乖離
・イマドキエモ女子(伝わりづらい表現だと思いますが…!!!)

というイメージを抱きました。

そこに、今回の脚本・演出を行うアメージングだいや氏からいただいたフライヤーイメージ

・切なさが込められたあたたかみ
・女の子が主人公と分かるような提示の仕方
・女の子のイラストは全身像が見えると嬉しい
・基本的には暖色系のイメージ

をあわせます。

ふむふむ、なんとなく像が見えてきました。

フライヤーに使用する素材を探す

では、制作に移っていきましょう。

まずは、イメージを具現化させるための素材を探します。
今回は海外のクオリティの高い写真素材が抱負なサイトの中から探しました。

雰囲気を掴む工程のなかで、

・顔が見えない女の子の写真
・「イマドキエモ女子」を体現するようなイラスト

のどちらかを、エモーショナルな情景に組み合わせたものを素材として使用したいと思います。
その際、後ろ顔や横顔などの顔が見えないような素材を選定することで、「カクイ氏」の朗読配信 というイメージを損なわないように意識しました。

また、タイトル文字に関して、同じくエモーショナルな情景を彷彿とさせるような手書き文字が良いと考え、

  1. 実際に紙にマジックでタイトルを書く
  2. それを写真にとり、photoshopで読み込み
  3. 完全な白黒にして、文字部分だけを切り取る
  4. 素材完成

といった手順で、文字を作成しました。

(携帯のアプリでもできるかと思います)

演劇フライヤー第1稿

叩き台として、第1稿を制作いたしました。

こちらです。

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サイズの異なる素材を重ねて、「乖離」「カクゼツ」を表現しています。

また、「タイトル」と「メインビジュアル」を中央上部に配置することで一番先に視線が止まるようにし、その次に女の子のイラストが、最後に公演情報が目に止まるようになってます。

女の子のイラストは実際に素材に書き込みました。「イマドキエモ女子」のイメージはこれでした。

頂いたフィードバックがこちらです。

タイトル、雰囲気の方向性はあってます。
ただ、海をモチーフにしていることが、作品の世界観を限定しすぎてしまっているのではないかという懸念があります。(意訳)

確かに作中の世界観では、概念のような、特定の世界を持たないような風に描かれています。
そこで、さらに抽象的なモチーフを探すことにします。

演劇フライヤー第2稿

頂いたフィードバックをもとにいくつか素材を選定しました。

前回素材の「夕暮れ」感は残しつつ、特定の地域をイメージさせない為に、上空を意識した「月」や「夕陽」を頼りに素材を探します。

打ち合わせを重ね決定した素材をもとに、第2稿を作成しました。

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「女の子」「エモーショナルな雰囲気」を表す素材を、サイズを変更し表示させることでタイトルの「カクゼツ」を表現しています。

こちらでほぼ決定となり、詳細情報等決定次第あてこむこととなります。

演劇フライヤー最終稿

最終的に決定したものがこちらです。

画像4

メインビジュアルはそのままに各種詳細情報の情報・デザインが変わりました。

・スタッフ記載欄の背景を変えることで、公演情報と差別化を図る
・「出演者」「生配信」「動画販売」の項目名だけあしらいを変えることで目を引くようになっている。(「生配信と動画販売があるんだな」ということをメインでお伝えできるようにしました。)

おわりに

初めての制作ということもあり、道を見失わないようにしっかりと一段一段工程を踏み締めて制作を重ねていきました。
結果、「頼んでよかったです!」の言葉を頂きまして、とても嬉しく感じました。

以上、ざっくりとですが、僕なりのフライヤー制作手順を書き記しました。
初めてフライヤー作るどなたかの参考になれば幸いです。

OK牛
OK牛

たくさん魅力が伝わるような、素敵なフライヤー作りを応援してます。

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